Friday, April 24, 2009

明治公園スーパージャンボフリーマーケットでは…

明治公園スーパージャンボフリーマーケット/東京フリマでは、写真集や小説等の古い書籍、雑誌、コンサートや映画のプログラム、ビデオ、レーザーディスク、DVDなども売られています。今年は、松本清張生誕100年のためか、氏の著作がどっさりと売られていました。
その本の山の中に有ったかどうかは分かりませんが…「花実のない森」という小説をご存知ですか?1965年に映画化もされました。私は、先日、偶然にCSで放送された映画を観てこの作品を知りました。主演の若尾文子がスゴクきれい(故黒川紀章氏は目が高かったね、演技についても役者やのーーと思う)。下地が小説なのでストーリーがしっかりしていて面白く、(私は、その方面に詳しくありませんが…)当時のファッション(デザイナー役のオバさんが着ている赤地に黒い模様のニットワンピースは、確か、都ドレス?ミヤコドレス?とかいうニットのブランドだと思う)や自動車(何という車だろうか?右ハンドルだから、たぶん国産車だろう…)も凝った感じがする作品です。主人公の兄(田村高廣)の「葬式パーティー!?(参列者から顰蹙を買った…)」でBGMとして流された(7" のレコードをかけていた)音楽、アルベニスのセギディーリャ(Isaac Albeniz, Seguidillas, Cantos de Espana, op232-5)を聴いた時にはハッとしました。ナカナカの演奏でした。
この曲を聴いて想いだすのは1930年代初頭に録音されたアルフレッド・コルトー(Alfred D. Cortot)の演奏です。ピカソ(Picasso)やブラック(Braque)の絵画を連想させるこのピアニストのスタイルが、スペインのリズムにマッチしていて素晴らしい。彼は、1952年には日本にも来て、各地でコンサートを催しました(香淳皇后陛下も演奏会をご覧あそばしたらしい)。まあ、来日時にアルベニスの曲は演奏しなかったようですが…
スポンサーは、朝日新聞。期間は、昭和27年9月30日から11月12日まで。
各地で演奏される主要プログラム A、B、C、G と 1回だけの特別?プログラム D、E、F の合計7つのプログラムでコンサートツアーが構成されました。
プログラムの冊子(下の画像)のデザインは、K. Saito という人の木版画を基にしているようです。
上の画像は、マチス(Henri Matisse)作のコルトーの肖像画(リソグラフ)です。

プログラム A:ショパン
ショパン 前奏曲 作品28
ショパン 練習曲 作品10
ショパン 練習曲 作品25

プログラム B:ロマン派作曲集
メンデルスゾーン 真面目な変奏曲 作品54
シューベルト 楽興の時 ヘ短調
ウェーバー 舞踏への勧誘
ショパン 譚詩曲(バラードのことです) ト短調 作品23
ショパン 夜想曲 嬰ヘ長調 作品15-2
ショパン ワルツ 変ト長調
ショパン タランテラ
ショパン ポロネーズ 変イ長調 作品53
シューマン 子供の情景
リスト ハンガリア狂詩曲第2番

プログラム C:ショパン シューマン
ショパン 幻想曲 作品49
ショパン ワルツ嬰ハ短調 作品64-2
ショパン 子守唄(berceuse のことです)
ショパン スケルツォ 変ロ短調 作品31
シューマン 蝶々
ショパン 奏鳴曲 変ロ短調 作品35

プログラム G:フランス作曲集
フランク 前奏曲、コラール及追複曲
フォーレ 主題と変奏曲 作品73
ラヴェル 夜のガスパール
ドビュッシー 前奏曲第1集

プログラム D:ショパン(10月23日ー東京)
ショパン 奏鳴曲 ロ短調 作品58
ショパン 譚詩曲(4曲)
ショパン アンダンテスピアナートとポロネーズ 作品22
ショパン 即興曲 嬰ヘ長調 作品36
ショパン ワルツ 変二長調 作品64-2
ショパン スケルツォ 嬰ハ短調 作品39

プログラム E:シューマン(10月24日ー東京)
シューマン 交響練習曲 作品13
シューマン 蝶々(または子供の情景)
シューマン クライスレリアーナ 作品16
シューマン 謝肉祭 作品9

プログラム F:(11月5日ー東京)
ヴィヴァルディ コンチェルト ダ カメラ
ベートーヴェン 奏鳴曲 嬰ハ短調 作品27-2
リスト 奏鳴曲 ロ短調
シューベルト レントラー舞曲
ドビュッシー 子供の領分
リスト ハンガリア狂詩曲 第11番

9月30日 - 日比谷公会堂 - A
10月1日 - 帝国劇場 - B
10月2日 - 帝国劇場 - C
10月4日 - 大阪朝日会館 - A
10月5日 - 大阪朝日会館 - B
10月6日 - 大阪朝日会館 - G
10月8日 - 宇部 - 市民会館 - B
10月9日 - 下関 - 東宝劇場 - C
10月11日 - 福岡 - 電気ビル - B
10月13日 - 別府 - 公会堂 - C
10月17日 - 名古屋 - 公会堂 - B
10月19日 - 京都 - 京都劇場 - C
10月22日 - 静岡 - 公会堂 - B
10月23日 - プログラムD
10月24日 - プログラムE
10月26日 - 青森 - 明ノ星高校 - C
10月28日 - 盛岡 - 公会堂 - B
10月30日 - 仙台 - 公会堂 - C
11月3日 - 松本 - 松商学園 - B
11月5日 - プログラムF
11月12日 - 日比谷公会堂 - G

未だ、「最早、戦後ではない。」と言われるより前の時代なので、なんと、演奏会場に学校の講堂?なども使われたようです。70代半ばという老齢にも関わらず、戦後の荒廃から立ち直るより前の(交通等の事情の良くなかったであろう…)日本を北から南までよくぞ巡ったものだと感心します。
このような演奏会のプログラム、書籍、CD、DVD、ビデオ、レコード、レーザーディスク、そして勿論、おしゃれな古着や日用品を探すには明治公園スーパージャンボフリーマーケット/東京フリマへ…