Thursday, September 11, 2008

都市鉱山(urban mining)

明治公園スーパージャンボフリーマーケット/東京フリマでも、小型の電子機器などが売られているのをよく目にします。正常に作動するものは、勿論、再利用される為に買われる訳ですが、壊れてしまったものが、最終的には国内処分場に埋められたり、最悪の場合は、海外に“輸出”されて埋め立てられたりする(処理費の安価な国に廃棄物を“輸出”することは経済合理性に叶う…などと宣う、某国財務長官も10年程前にはおられたなー、shit!)のをなんとかできないものかなどと考えることもあります。取り敢えず?、出展しているその人達が、捨てずに貯蔵してくださっていることをありがたく思ったりもします。
以前から、電子部品や基盤などに貴金属や希金属が含まれているということが報道されていましたが、近頃、「都市鉱山」という言葉をよく耳にするようになってきました。今日も、朝日新聞の朝刊「私の視点(ネットには掲載なし)」というコラムに掲載されていました。東北大学教授の白鳥寿一という方の筆によるものですが、なんと、日本の都市鉱山に於ける金の埋蔵量は、世界中のリアル金鉱山の埋蔵量の2割弱、銀の埋蔵量は、同じく2割強。それぞれ世界一の埋蔵量を持つ国の規模を上回るということです。しかしながら、この資源は、今のところ殆ど活用されておらず、今後、インフラや法の整備、環境対策などを踏まえた長期的な視点で開発していくことが必要で、リアル鉱山の開発よりも困難だということです。東北大学では、「人工鉱床構想」というプランを提唱し、秋田県大館市と協力して廃家電の収集を始めたということです。機種別にその寿命と含有金属の種類と量をデータ化しているそうです。
以下、都市鉱山から資源を取り出す課題を記した記事を見つけたので転用させて貰います。
>第1の課題は、資源の回収率が低いことだ。いくら潜在的に資源が存在しても、回収されないのでは意味がない。例えば2006年度には携帯電話の買い換えが約2100万台存在したが、回収できた端末数は662万台に過ぎない。また家電製品の中には、回収の仕組みが存在しないジャンルも多い。
 回収率を高める上で見逃してはならないのが、廃棄物の海外流出だ。近年ではリサイクルコストの差から、廃棄物が海外に流出することも多い。このことが金属資源の損失に繋がってしまう。そこで「国内での分解が簡単になるよう製品設計を行う」といった対策が必要となる。
 第2の課題はリサイクル技術が成熟していないことだ。例えば現在の技術では、電子部品から金や銅などを回収できるが、レアメタルが廃棄処分されてしまう。このことは資源を損失させるだけでなく、環境汚染にも繋がってしまう。低コストでレアメタルを抽出する技術の開発が必要だ。
 ところでレアメタルを有効利用する方法は、リサイクルだけがすべてではない。減量や代替も有力な手段となる。これに関して、昨年度から政府の研究支援プロジェクトも始まった。文部科学省による「元素戦略プロジェクト」と、経済産業省による「希少金属代替材料開発プロジェクト」がそうだ。例えば後者で支援対象となった研究の中には、大型フラットディスプレイにおけるインジウム代替材料の研究などが含まれている。
都市鉱山の「大国」である日本。だが今のところ、これは潜在的な可能性を指し示しているだけに過ぎない。実用化には、更なる技術開発と仕組みづくりが必要だ。< 「都市鉱山」2008年6月3日 日経BP社

我国の政治家の皆様も、“埋蔵金”探し?に現を抜かすのもよいけれど(失礼、悪気はありません)、この“埋蔵金属”にも本格的な予算をつけるべく動いて戴けぬものかと考えたりイタします。因に、私はノンポリです。
De Nino A Ferrer / Nino Ferrer
POLYDOR, POCP-1703, 1990, JAPAN
このようなCD、DVD、ビデオ、レコード、レーザーディスク、
そして勿論、おしゃれな古着や日用品を探すには明治公園スーパージャンボフリーマーケット/東京フリマへ…

3 comments:

Anonymous said...

環境省から1億2300万円予算がついたみたいです。

レアメタル回収へモデル事業=リサイクル促進で携帯電話など−環境省

9月16日4時19分配信 時事通信

>環境省は2009年度、携帯電話など小型デジタル家電に使用されているリチウムやインジウムといったレアメタル(希少金属)のリサイクルを拡大するためのモデル事業を実施する。小型家電に含まれるレアメタルの回収は現在、メーカーが自主的に行っているだけで、量が少ないためだ。全国数カ所でモデル地区を設定し、使い終わった小型家電をより多く回収できる方法を探る。来年度予算概算要求に1億2300万円を盛り込んだ。
 世界的に価格が高騰しているレアメタルは、先端技術産業に不可欠で、携帯電話や音楽プレーヤーなどの電池や液晶画面、半導体に使われている。しかし、法律で回収が義務付けられているパソコンやテレビなどと異なり、小型家電を回収する仕組みがないのが現状。例えば、06年度の携帯電話の出荷台数は約 5000万台だったのに対し、回収台数は約600万台。使われなくなった後、そのまま家庭に眠っていたり、捨てられたりするケースが多いとみられる。<

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080916-00000011-jij-pol

Anonymous said...

報道発表資料 [2008年9月掲載]

希少金属等の資源リサイクル促進に向けて
携帯電話の都内回収実験を行います
大学や地下鉄など20か所に回収箱設置

平成20年9月26日
環境局
社団法人電気通信事業者協会
情報通信ネットワーク産業協会

 東京都は、社団法人電気通信事業者協会及び情報通信ネットワーク産業協会や区市町村等と連携し、金や銀などの金属の回収・リサイクルの仕組み(モバイル・リサイクル・ネットワーク※1)がある携帯電話について、回収量が減少している状況を打開し、より一層のリサイクル促進を図るため、複数の拠点において使用済み端末等の回収実験を行います。
 同時に携帯電話のリサイクルに関する都民の意識や行動の実態についてインターネット上でアンケート調査を行います。
 実験開始の初日(10月2日)に、東京オリンピック・パラリンピック招致委員会事業部門マネージャーの相原正道氏※2を招いてオープニングセレモニーを行います。

※1 詳細は別紙3
※2 相原氏プロフィール別紙4
回収実験の概要
1 回収対象

 携帯電話・PHSの端末本体、電池、充電器
2 回収箱の設置

 都内20か所に携帯電話の端末等の回収箱を設置(詳細は別紙1,別紙2)
 回収・資源の再利用は、モバイル・リサイクル・ネットワークが行います。

 <大学> 慶応義塾大学(三田)、早稲田大学(早稲田)、首都大学東京(南大沢)
 <地下鉄> 飯田橋駅、東新宿駅、日比谷駅 (東京メトロ、都営の各駅)
 このほか、区役所3か所、市役所6か所、都庁舎2か所に設置
3 実験期間

 平成20年10月2日(木)から平成20年11月30日(日)まで
4 その他
(1) 意識調査

 回収実験とあわせて、携帯電話のリサイクルについて意識調査を行います。環境局ホームページに、実験期間中アンケート回答用のボタンを掲示します。アンケートにご協力ください。
(2) 実験結果の公表

 希少金属等含有製品回収促進協議会(別紙5)において、回収された端末台数、回収資源量や意識調査等の結果をとりまとめ公表します。

オープニングセレモニーについて
1 日時

 平成20年10月2日(木) 午前10時から
2 会場

 都庁第一本庁舎2階中央 総合案内付近
3 主な内容

* 東京都有留武司環境局長及び(社)電気通信事業者協会坂田紳一郎専務理事による挨拶(携帯電話の回収実験やリサイクルの取組紹介)
* 相原正道氏による挨拶
* その他 実演(回収箱への携帯電話の投函、端末のパンチ破砕)


【展示】

* 携帯電話の内部構造展示(基板等に含まれる金や銀、レアメタル等)
* 携帯電話回収や金属等の資源回収・再利用の仕組みについてのパネル等展示
* 販売店に設置している携帯電話の破砕機 等

http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2008/09/20i9q200.htm


〔別紙5〕
希少金属等含有製品回収促進協議会

概要

 希少金属等を含有する使用済み製品について、販売事業者・メーカー等が進めている既存の回収・再資源化システムによる回収量をさらに向上させるため、行政、関係事業者との連携策を検討する本協議会を平成20年3月に設置しました。
 希少金属等含有製品のリサイクルシステムの認知度や回収量向上のため、都内区市町村と連携した広報活動を実施し、貴重な資源であるレアメタル(注)等の有効利用に向けた人々の継続的な環境行動を、この協議会を通じて促していく予定です。
構成

 [特別区代表] 足立区、練馬区
 [市町村代表] 東村山市、国分寺市
 [モバイル・リサイクル・ネットワーク] (社)電気通信事業者協会(通信系)、情報通信ネットワーク産業協会(機器製造系)
 [小形充電式電池リサイクル※] 有限責任中間法人JBRC
 [事務局] 東京都環境局廃棄物対策部計画課

(注)レアメタル
 地球上の存在量が希少であるか、経済的・技術的に純粋なものを取り出すことが難しい金属の総称。一般的にレアメタルと呼ばれる元素は、タングステン、インジウム、コバルト、プラチナ、レアアース等31種類

※小形充電式電池リサイクル
 パソコンやデジタルカメラに使われている小形充電式電池には、主な材料としてニッケル、カドミウム、コバルトなどの希少な資源が使われています。資源有効利用促進法に基づき、回収・再資源化が義務付けられている小形充電式電池について、小形充電式の電池メーカーや使用機器メーカー、それらの輸入事業者など270社以上がJBRCの会員となり、共同で無償回収・リサイクルを推進しています。
 電気製品販売店を中心としたリサイクル協力店など回収拠点は全国に約28,000店あり、回収量は年々増加しています。

http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2008/09/20i9q205.htm

Anonymous said...

それ見ろ、先進国の輸出先で大変なことになってるよ!

クローズアップ現代(NHK)

http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku2008/0809-5.html 

9月29日(月)放送
家電ゴミは“宝の山”
〜過熱する資源争奪戦〜

これまでアジア各地の途上国が事実上の処分場となってきた、日本など先進国からの家電廃棄物=E-waste。今、この"ゴミの山"が"宝の山"に変身し、アジアの貧困街から多国籍企業までを巻き込んだ、激しい争奪戦が繰り広げられている。狙いは、PCや電気製品の基盤などに使われる金・銀・銅やパラジウム・ガリウムなどの希少金属。世界的な鉱物資源の高騰で、非鉄市場で高値売却できるようになったのだ。しかし、その回収は無秩序な状態で、フィリピンなどアジア各地で深刻な健康被害や環境破壊を危惧する環境団体の報告が相次いでいる。一方、リサイクルによる鉱物資源の有効活用を模索する日本企業は、E- wasteの集荷ルートの強化に乗り出した。知られざる"海を越えたゴミ争奪戦"その舞台裏を描く。
(NO.2635)

スタジオゲスト : 小島 道一さん
    (アジア経済研究所主任研究員)